定年おやじのセカンドライフ

生きている実感はありますか?

ツバメの子育て始末記

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あの時の光景が今もフラッシュバックし、やりきれない気持ちに襲われる。

7月14日、日曜日の午後、にわかに天候が急変。激しい雨と雷でテレビの音声もかき消された。
飲み物をとりに台所に行った。ツバメの鳴き声が騒がしい。最初は気にもとめなかったが、天井を見て仰天!すさまじい光景が展開されていた。

黒い大きなヘビ(青大将)がツバメの巣を巻き込んでいたのだ。なすすべもなく、周囲を飛びまわる二羽の親鳥。尋常ではない鳴き声をあげながら。厳しい自然の掟・生存競争を目の当たりにし、心はちぢに乱れた。この驚きは言葉ではとても表現できない・・・。

「早く助けねば」とあせった。急いで熊手をとりに行き、それでヘビをたたき落とした。床に落ちたヘビは予想以上の素早さで、開けていた勝手口から外に逃走。アッという間だった。

残されたのは、一緒に落ちた巣だけ。4羽のヒナの姿はなかった。
痛恨の極みだった。ちょっと前にヒナの写真を撮ったというのに・・。「元気に育てよ」とヒナ達に声をかけたのに・・・。

親鳥2羽は部屋の中のエアコンの上で、悲しそうにジ~ツとしたまま動かなかった。
可哀そうで、可哀そうで・・・。「ごめんね」と親鳥に何度も謝った。

家に寄り付かなくなるのでは、と心配したが、翌日、親鳥が家の中に飛来。「よかった!」と妻。本当に嬉しかった。今はこう思う。2回目の子育ては痛ましい結果になったが、1回目は無事に7~8羽が巣立ったのだ。悲劇もあったが、歓喜もあった、と。

8月10日、多数のツバメが家の電線に止り、大きな声で鳴いていた。これを最後にツバメは姿を消した。「お別れの挨拶だったのよ」と妻。壁の汚れを見る度に、ツバメとの共生の日々が思い出される。
今頃は南の国に向かっていることだろう。