定年おやじのセカンドライフ

生きている実感はありますか?

78歳、幼なじみの健歩会

快晴の1月16日、地元の国民宿舎で中学同級生の有志からなる「健歩会」の集まりに参加した。コロナ禍のブランクがあり、この集まりは久しぶり。

山頂にある会場から眺める瀬戸内の海は、昔と変わらず穏やかで空と海のブルーが美しかった。

 

メンバー14名のうち参加者は12名。ほとんどが地元に住んでいる中、福岡市から来たK君は、「長年空き家にしていた実家を二束三文で売却した。故郷が多くなった」と寂しそうに話した。

 

思えば還暦の同窓会を機に、N君の提案で「皆で定期的に集まろう」と健歩会を発足。名前も彼が名付けた。「近くにいてもお互いの動静すら知らない。現役を退いた年齢となったので、皆で地元を散策し、昔の絆を取り戻そう」との思いからだった。

 

結成から15年近くが経った。この間、故郷の山々、母校の小中学校、お寺、八幡様、海辺、公園などを巡った。恩師を招いた同窓会や花見のほか、バベキューなども再三行った。

だが、後期高齢者になった頃からメンバーの体力差が目立ち始め、全員での健歩が難しくなった。ランチタイムでの雑談に変わったが、これが実に楽しい。

こうした集まりが続いているのは、N君のおかげだ。自身、病で体が不自由になったにもかかわらず、こまめに幹事役を果たしてくれる。

 

この日から丁度1か月後、信じられない知らせが届いた。K君が急逝したという。一番元気そうだったのに。

あの日、食事をしながら彼と中学時代の思い出話で盛り上がった。山でのメジロ捕り、海で魚やアサリ貝、車エビなどをとったこと・・・。

彼は大手旅行会社に勤めた経験を活かし、いつも会を盛り上げてくれた。今の楽しみは、「スーパーで好みの刺身を毎日、買い、これで晩酌をすること」と言っていた姿が忘れられない。

 

彼の写真を眺めながら、ご冥福を祈った。楽しかったよ!ありがとう!

大切な幼なじみを失い、「明日はわからない」年齢であることを実感している。

 

「友の訃報がまた一つ

 風に飛ぶ花 散る桜

 残る桜も 散る桜

 ふと良寛を浮かべたり」(惜春会 作詞:小椋佳