定年おやじのセカンドライフ

生きている実感はありますか?

地籍調査

10月から山口市による地籍調査が始まり、わが家は宅地・畑・田んぼの一部が対象になった。境界を確認するための「立ち合い」に3度参加した。

地籍調査は国土調査法に基づき、一筆ごとの土地の境界を確認し、正しい位置、地番、地目、面積などを明確にする調査だ。

隣接の地権者と畔や子供の頃の記憶をたどりながら、境界を確認した。

 

話をしていると、どの家も家族総出で農作業をしていた光景が蘇った。田植え、稲刈り、裏作の麦やナタネの収穫。周囲は動力脱穀機を使うなか、父母と足踏み脱穀機を必死に踏んだ。ナタネのさやを棒でたたいて黒い小さな実を収穫した・・・。

春は子ヤギが生まれ、レンゲを植えたこの田で一緒に遊んだ。れんげのひんやりした感触と子ヤギのやさしい目が忘れられない。

 

地籍調査を機に、亡き母が風呂敷に包み大切に保管していた登記関係書類を整理した。

わが家の「土地の歴史」は、昭和23年7月に亡き父が山口県から購入したことに始まっていた。「自作農創設特別措置法」に基づく売渡、いわゆる「農地改革」によるものだ。

来年4月から相続登記が義務化されるが、父が53歳で亡くなった際、母が相続登記をきちんとしていたのは、ありがたかった。懐かしい父の署名がある書類から、戦後の食糧不足からスタートした父母の苦労が偲ばれた。

 

今回の調査はありがたいが、雑草が生い茂る、子供の頃とは様変わりした田んぼが目立つ光景を見ると、複雑な心境だ。