11月初め、家の焼杉の壁板を腹のふくらみが目立つカマキリがゆっくり登っていた。
大きさは約10センチ。
これを見つけた妻が「カマちゃん、あんたは登るのが上手やねー」と声をかけた。
すると歩みを止め、大きな目をこちらに向け「目があった!」という。
翌朝もまだ、壁板の最上部でごそごそ動いていた。
「卵を産む場所を探しているようだね」と妻が言った。
ネットで調べると、「カマキリがこちらを向いた瞬間に目が合ったような気持ちになる」とあり、驚いた。
カマキリは春に生まれて、夏に成虫になり、秋に交尾・交配し一生を終える。さなぎにならず卵で冬を過ごす、という。
夫婦共に「小さな生命の営み」に慈しみの目を向けることが多くなった。
畑の雑草、蝶、野菜についている幼虫・・・。
生きていることに対して、心からの感謝の念がわいてくる。
春に卵から生まれる様子を「観察する楽しみ」ができた。