12月中旬、障子の張り替えを妻と行った。
廊下の改修工事を機に、「障子もきれいにしよう」と思い立ったからだ。
わが家は古い日本家屋。母屋は築46年、他部分は築56年。10年近く張り替えていなかった。
亡くなった母は、冬になるとこまめに張り替えていた。「下から上方に貼る」「最後に霧を吹くと紙のしわがなくなる」ことを教えてくれた。当時と変わったのは障子紙の一枚ものが主流になったことぐらいか?
水を浸したスポンジで糊がついた部分を濡らした後、古い紙をはがす。最初はタオルでやっていたが、洗車用スポンジの方がやり易かった。少し時間をおくと、よくはげた。
新しい紙を貼る作業は、思った以上に難しかった。紙が広く長いうえ、すぐに曲がるからだ。妻は手慣れたもので、糊を桟と枠に上手につけていった。最初の障子には苦労したが、二枚目からは順調。7枚を張り替えたが、これでも三分の一にすぎない。
張り替えた障子を立てると、見違えるように部屋が明るくなった。穏やかな明るさが差し込む和紙の趣はまさに日本の佇まいだ。寒風が吹く中、水はとても冷たかったが、楽しい作業だった。
愛犬が雷鳴でパニックになり破いた「思い出の障子の穴」とも、お別れした。