定年おやじのセカンドライフ

生きている実感はありますか?

愛犬ランちゃん永眠

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愛犬ランが妻に看取られ、15歳11カ月の生涯を終えた。

2020年5月31日(日)、深夜12時55分

山口市内の実家に連れて帰った日のことだった。

 

「ランちゃんが死んだ!」妻の鳴き声で飛び起きた。リビングの毛布の上に横たわる体はまだ温かかったが、名前を何度呼んでも、頭をなでても動かない。覚悟はしていたものの悲しみがドッと込み上げた。「長い間ありがとう!」と叫んでいた。

 

妻がいつものように介護をしていた。「うちに来て幸せだった?」など話しかけていた時、突然、「ワン、ワン」と大きな声で反応した。これが最期だったという。別れを告げたのだろうか。その時寝ていたことが悔やまれる。

 

妻がランの体にそっと毛布をかけた。まるで眠っているかのような姿に胸がつまった。横になるも眠られず、3時半に起きて遺体のそばのテーブルで悲しみを日記につづった。夜のしじまのなか、ランと過ごした日々を偲ぶ自分なりの通夜だった。

 

ランは先に飼っていた犬(レオ)が17歳6か月で天国に旅立った翌月、里親を探していた人からもらい受けた。その日のことや実家で失踪し4日目に奇跡的な再会を果たしたこと、名前のとおりグランドを飛ぶように走ったこと、雷をとても怖がっていたこと、テニスやマラソン練習には必ずついてきて見守ってくれたと・・・。次々に頭に浮かび、気がつくと東の空が明るくなっていた。

 

思えば、実家への車中では鳴き声が弱々しかった。せめてもの慰めは、ランを可愛がっていた中学生の孫娘二人が偶然、母親とやって来て、ランの頭や体をやさしくなでてくれたことだ。ランも嬉しかっただろう。

 

翌日(6月1日)は快晴。家に続く畑の一角にある大きな柿の木の下に埋葬した。妻が遺体を穴の中にそっと横たえ、二人で土をかけた。感極まった妻は「ランちゃん」と涙を流し、自分は横たわる最後の姿をしっかりと目に焼き付けた。

「ランちゃんの墓 2020年5月31日没 15歳11カ月」と書いた板を立て、楕円状の自然石を置いた。畑に咲いていたコスモスの花も両脇に活けた。

手を合わせると、我々夫婦の15年11カ月も葬られた気分になった。