定年おやじのセカンドライフ

生きている実感はありますか?

「墓じまい」、いまだ決断できず

今年のお盆も「墓じまい」を決断できないまま迎えた。

 

お盆の14日早朝、両親の墓参りをした。

その墓は家から歩いて10分もかからない「村落の共同墓地」にある。北隣は母の実家の墓で、私の祖父母や叔父、叔母が眠る。妻がお盆前の共同作業に参加し、草刈りや掃除を済ませていた。

わが家で育てた花やシキミを活け、一人手を合わせると、皆が元気だった頃の光景が次々に脳裏に浮かんできた。

 

この墓は56年前、母が苦労して建てたものだ。「お父さんの墓を早く建てなければ」と母は必死だった。その母も7年前に亡くなり、この墓に納骨した。

孫達とよく墓参りをしてきた。手を合わせるといつも心が洗われる。

 

15年前、近くの菩提寺が納骨堂を建設した際、お寺とのお付き合いもあり一区画を購入した。自身が後期高齢者となり、納骨堂に父母の遺骨を移す「墓じまい」を真剣に考え始めた。遠方にいる子供たちが、墓を維持管理することは難しからだ。

 

妻からは「早くしたら」とせかされるが、この墓には母の思いがこもっているうえ、墓参りの良さも捨てがたく、なかなか決断できずにいる。

夏の太陽に照らされた、人影のない墓地を見回すと、墓じまいの跡や雑草が伸び放題の墓も目立った。

 

今も悩んでいる。