わが家の畑には毎年、晩秋、渡り鳥のジョウビタキが飛来する。
11月初旬、妻と畑を耕しているとそばのロウバイの木に止まり「ヒッ、ヒッ」と鳴くジョウビタキを見つけた。妻が「タキちゃん、お帰り!」と声をかけた。
例年より半月あまり遅い飛来だった。
胸から腹にかけた橙色が特徴のタキちゃんは、畑を縄張りとして早春まで過ごす。いつもポツンと1羽でいる。どうも子育てを日本より北方でするからのようだ。
広さが約100坪の畑はあえて耕運機を使わず、体力づくりを兼ねて鍬で耕している。
作業を始めると、タキちゃんはどこからか現れる。掘り起こされた土から出たミミズなどを狙っているのだ。2-3メートルの距離でもあまり人を恐れないので、時には耕すすぐ後をついてくることもある。
冬の到来を告げるタキちゃんは、我々夫婦の畑仕事を楽しくさせてくれる。
年を重ねたせいか、遠路はるばる今年も来てくれたことがとても嬉しい。
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