定年おやじのセカンドライフ

生きている実感はありますか?

石川達三著 「青春の蹉跌」


読売新聞日曜版に連載の「旅を旅して」を愛読している。

名作の一節を取り上げ、そこに登場する場所を記者が実際に訪れた文章と写真での構成が気に入っている。

4月16日は石川達三の「青春の蹉跌」、文章は「太陽が西の山の肩に沈もうとして、虹色の光の縞が水面に流れていた」この場所は箱根町とあった。

 

この記事を読み、本棚からハードカバーのこの本を久しぶりに手に取った。

蔵書の多くは終活で処分したが、捨てられずに保存している本の一冊だ。

薄水色のカバーの真ん中に題名と著者の名前がある。学生時代、この題名に魅かれ一気に読んだ記憶がある。学生運動が盛んだった自分の学生生活が、主人公のそれと重なったからだ。

 

最終ページの余白には「S43.9.16 PM10.12読了」のメモ書きがある。あれから55年。昔の恋人に年取って出会った思いだ。

読み直してみる気になっものの、字が小さいのですぐに目が疲れる。