
実家のそばの畑には三本の梅の木がある。
枯野のなか、朝日に映える「白い花」が美しい。凛とした気品がある。
「今年もたくさん実をつけそう」と妻はつぶやいた。加えて「梅干作りが大変!」と笑った。毎年大量の実をもぎ、加工する。高齢の身にはかなりの重労働だからだ。
周囲に漂ういい香りに誘われ、顔を花に近づけ匂いを嗅いでみた。
心が和む。「俺はまだ生きている!」「今年も生きていて良かった!」幸せな気分になった。
思い出すのは、亡き母の名前「ウメ子」、そして子供の頃よく土産にもらった天神様の粟おこしの包み紙にあった梅のデザインだ。
「梅一輪 いちりんほどのあたたかさ」服部 嵐雪