定年おやじのセカンドライフ

生きている実感はありますか?

こうもりの赤ちゃん

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日頃は空き家にしている実家に帰り、孫達もやって来た。
昼過ぎ、妻が「こうもりがいる」と驚いた様子で言う。見ると、フスマの上部に菱形の黒っぽいものが止まっていた。最初妻は大きなクモと思ったらしい。

2週間前に帰った際、夕方まで家の風通しをしたので、迷い込んだのだろう。ガラス戸を開け放ったが、動く気配がない。体長約5センチのこうもりの赤ちゃん。かなり衰弱しており、手でつかもうとすると畳の上に落ちた。必死に口を開け「キー、キー」と甲高い鳴き声をあげ、少し力を入れると握りつぶしそうだった。孫娘二人はこわごわ見守っていた。

庭の木の枝に移すと、吸いつくように止まりピクリともしない。そんな状態が薄暗くなるまで続いた。
小雨が降り始めたので、「傘をさしてやろう」と言う私に、妻は「これが本当のこうもり傘ね」と笑った。

だがすでに姿は見当たらず、小さな侵入者が助かったと思うと嬉しかった。