定年おやじのセカンドライフ

生きている実感はありますか?

母の介護

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就職して以来誕生日には必ず、母からの手紙が届いた。先日机を整理していてその数通を見つけ、しばらく感慨にふけった。

「健康が一番です。体に気をつけて頑張ってください」。この平凡な文章に母の愛情を痛いほど感じたからだ。職場で読むと母の気持ちが素直に伝わり現役時代の心の支えとなった。

その母は13年前に認知症を発症。手紙が途絶えたのはこの頃からだった。病気の進行に伴い、8年間の自宅介護から老人介護施設・病院を経て、昨年3月幸運にも特別養護老人ホームに入所することができた。

車イスに母を乗せ散歩をしていた時、弱った体にもかかわらず「荷物を持とう」と母が私に何度も言った。私は「ありがとう」と心で手を合わせた。映画の「楢山節考」で描かれた親心を感じたからだ。
口減らしのために捨てられる母親が、息子の背中から柴の枝を折りながら息子の帰り道の目印にする、それと同じ親心だ。「姥捨山」には絶対にすまい、と心に誓った。

3年前から寝たきりになった母のもとに週5日通い、昼食の介助をするのが私の生活の一部となっている。

症状に一喜一憂する日々だが、母とゆっくり過ごせるかけがえのない時間でもある。

今年2月、母の植えた梅がきれいな花をつけた。元気だった母の姿と重なった・・・。