なんとも重苦しい春である。
満開の桜が散り始めた4月11日、妻の母が静かに逝った。80歳の生涯だった。
奇しくもその日は、東日本大震災から丁度1カ月。
東日本大震災ではどうしようもない無力感に襲われたが、このところ義母をはじめ身近な人との死別が相次ぎ、「人生の無常」を思い知らされている。昨日も幼なじみの訃報が届いた。
「最近親しい人が亡くなり辛い思いをしています。残された方も辛いですね。
年をとるとはこういう経験をすることですね」。
親友が以前手紙に書いて寄こした言葉である。
義母が天国で我が亡父と出会い、我々家族のことを楽しそうに話している、そんな光景を想像しながら、
合掌。
「満開の桜の散る日 義母の逝く」
「桜散り、ウグイス鳴くや、火葬場」