生まれ育った故郷の自然が「宝物」のように思えてきた。芥川賞作家・高樹のぶ子さんの自伝的小説をアニメ化した映画「マイマイ新子と千年の魔法」を観た感想である。
地元を舞台にした映画というふれこみに誘われ、妻と観賞に出かけた。
舞台は、昭和30年代の山口県防府市。わが故郷はその隣だ。しかも、原作者の高樹さんとは同年齢なので、育った環境はそんない違わない。
麦畑、夕やけ、小川、蛍、ちゃぶ台、遊び疲れて帰る家路、夕暮れの家の灯の暖かさ、年長者も年下も一緒に遊ぶ子供達、山口弁、命の大切さと悲しい別れ・・・。すべてがきらきら輝いていた。
新子は青い麦畑で空想を広げたが、黄色い菜の花畑のなかも子供の天国だったナー。
そんな昭和の原風景は、この映画のキャッチコピーのとおり「切ないほどに懐かし」かった。
「青い麦の海に飛び込むと、
キラキラの明日が見えるんよ。」